接着剤の選び方

接着剤、ペンチングナイフ
よく使う接着剤とペンチングナイフなど

一口に接着剤といっても本当に色々あります。家具などを作る場合も作業内容、用途で選びます。大まかな分類では
  1. ほぞ組み、組み立て
  2. 板矧ぎ
  3. 補修
  4. その他
接着剤にはそれぞれの特徴、性質があります。
木工では「滑り」と「ワーキングタイム」がポイントだと思います。

「滑り」・・きっちりと作った仕口も滑りのある接着剤を使うと潤滑剤のように作用して楽に組み立てできます。エポキシ、ウレタンなどが使いやすいですね。一方白ボンド系は「噛む」と言いますけど、木と木が吸い付くような作用があります。組み立てに使う時は注意が必要です。

「ワーキングタイム」あるいは「オープンタイム」といって接着剤を容器から出しておける時間、それを過ぎると硬化が進み、作業に支障が出ますよ・・という指標。例えば木工ボンドは10分です。その時間内に組み立てなどの作業を終わらせる必要があります。接着剤を容器から出して、ホゾとホゾ穴に塗り、組み立て、圧締までの時間です。ホゾが4つもあると結構せわしいですよね。ドタバタします。エポキシやウレタン系はこの時間が比較的長く、20~30分でしょうか。

近年ウレタン系が注目されていますが、1液性のものは使い勝手もよく、ホゾ組みには向いていると思います。耐水性もあり、接着強度も強いです。

接着剤と一緒に使う道具としてペンチングナイフがあります。エポキシ、ウレタン系で使います。使用後接着剤を拭き取りますが、硬化後でもスクレーパーで剥がせるので使いやすいです。お薦めです。またはみ出したボンドを拭き取る道具としてブラシ類があると便利ですけど、100均のお掃除コーナーにも良い物があったりします。

板矧ぎでは木工ボンドを使っています。水回りとか屋外で使うものならタイトボンドⅢを使います。色々と試したのですが、「いつもの木工ボンド」がとても優れていると思います。ウレタン系もいいと思いますけど、ここら辺は作業性とか作業方法、そして好みもありますね。ちなみにTitebond Ⅲですけど、接着時の気温にやや敏感で低温時は気をつけないと接着不良を起こします。47°F=8.3°C以上での使用となっています。冬場は暖かいお部屋でどうぞ、寒い工房では厳しいです。コニシの木工ボンドは2°C以上となっているから、メーカーさん現場をよく知っているんですね。

米国では木工ボンドはwhite glue, yellow glue と言って2種類あります。白はいわゆる工作用ボンドですが、黄色は白にいくつか工夫がしてあって、熱がかかったときにガム状になりにくいなどの特性があります。サンディングしやすくなっています。

補修は瞬間接着剤と白ボンドですね。気をつけていても間違うことはありますし、ちょっとした割れがあとから出てきたり、うまく補修するのも大事な技術です。瞬間接着材も粘度の違いがあって、未だに色々と試しています。その他は木と金属、ゴムとの接着ですね。これは使う場所で色々と使い分けています。

最後に接着剤には消費期限があります。1液のものはボトルのどこかに記載されています。木工ボンドはそんなに神経質になることはありませんが、ウレタン系はちゃんと見た方がいいですね。

DIYなら木工ボンドでほとんどの場合OKですけど、30分エポキシも使いようがあると覚えていて損はないと思います。

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