平面を出し、厚みを決める ルータージグの完成

ルータージグ

手押しや自動カンナ盤がなくても大丈夫

DIYにはひとつの大きな壁があります。それが材料の「平面出し」です。2バイ材などをネジで接合して何かを作るのなら丸ノコで切るだけでいいのですが、きちっとしたものが作りたい時は材料の6面を寸法に取り直します。まず一面を平面に直し、反対面をそれに平行に削ることから始めます。その後幅を決めて、長さに取ります。

面を直すにはカンナを使いますが、手ガンナは簡単に使える道具とは言いにくく、手押しや自動カンナ盤はコンパクトなものでも大がかりです。まあ、あきらめてできることで楽しむのもDIYですが、もしプランジルーターを手に入れたらこのジグで壁を乗り越えられます。

近年のトリマーはオプションにプランジベースがありますね。手に入れた方も多いのでは?ミゾ加工の際も重宝しますけど、それだけではもったいない。精度のあるプランジベースならジグとの相性が抜群なので今まで「できないかも・・」と思っていたことができるようになります。

例えばねじ止め、ダボ継ぎではない木組みをやってみたいと思うことがありますよね。「次のステップに進みたい・・」もうここまで来たら、材料の6面を取り直す必要がありますよ。

今まで丸ノコのジグを3つシェアーしてきましたけど、今回のルータージグを加えることで「材料の6面を決める作業」がすべてできるようになります。実は1年前にYouTubeを始めた時から考えていたジグなんですけど、なかなか手強い課題でした。海外ではRouter Sledと呼ばれる大きな一枚板の平面出しをするジグが昔からあります。ただ、DIYでよく使う木片や1バイ材を削るには大雑把なので、実情に合わせたジグを設計したかったんです。肝は材料を押さえる部材「高さ調整用の桟」です。これは発明かな。(笑)

動画の最後にコースターを作りますが、木片を厚さ10mmに削り直して作りました。この作業がうまくいったのは嬉しかったですね。是非試してみてください。

大事な追記です! 治具を完成させてから、とあるビットに出会いました。CNCルーター用の2+2デザインの平面出し用ビットです。この刃は近年できた物のようで知らなかったのですが、画期的です。SPF材などの針葉樹を削るなら使うべきと思います。記事と動画がありますので参考にしてください。

動画「ルータージグで平面を出す、厚みを決める 材料の反りを直し、ねじれを解消」の補足説明です。

■ルータージグの特徴と材厚の違いでのセッティング

一般的に使う材は8/4インチ材(53mm程度)までなのでそれを基本に設計しました。もちろん1x材、2材もOK、更に木片、切り落とし材もOK。こういう短い材をカンナ盤で削るのは意外と手間で危ない作業なんですけど、これなら簡単、安心。

削りに関してはルーターの刃が回転しながら材料と平行に動くので逆目が出にくいです。つまり「木目がもめている材」にも向いてます。

■パーツは3つ

今回のベースの設計は材料の幅300mm+、長さ920mmを削れるものとしましたが、これは必要があれば大きくできます。幅を広げる際はルーター台に使うアングル材、補強桟をしっかりした厚みや材質に変えてください。またもし53mm以上の材を削るのなら・・ルーター台の支えをかさ上げするスペーサーを作ったらいいと思います。また工夫をすることで920mmよりも長い材も削れると思います。需要があればこのジグの応用編を作ります。

■ルータージグの作り方

ベースはねじれだけは注意します。わずかな反りは気にしなくていいと思います。ルーター台はマキタの8mmルーター程度の重さで設計したので12mmの重い大型ルーターを使うのならアングル材をしっかりした厚みに変え、補強桟もアルミの角パイプなどを検討ください。

平面が作れたら、色々なことができるようになって、木工の楽しみがものすごく広がると思います。

平面出しルータージグを付く時の材料、合板の選び方について質問がありましたのでその回答と基本的なことはこちらで記事にしました。
合わせて溝加工に使うトリマー/ルーターのビットについても質問がありました。ビットについて、ストレートビットの使い分けなどはこちらです。

最後に・・平面出しをするには電気カンナ治具も作りました。治具自体も作りやすく、作業も早いです。微妙な差ですがルーター治具の方がすべての材種で仕上がりがよいかな。特に節の周辺がきれいに切れます。また、工夫をすると色々な作業ができる良さがあります。

取り敢えず平面出ししたい、電気カンナも使ってみたいという方にはこちらがオススメです。

コメント

  1. こんにちは

    kikikumaさんの電動カンナで平面出し治具を参考に、トリマーで平面出しする治具を作成させていただきました。
    レール上をこちらの動画にあるような治具を滑らせるタイプのものなのですが、厚い材にも対応できるように電動カンナ治具にあるようにレールにかさ上げ機能をつけたり、
    今はまだ材料を両面テープでの保定で間に合っているので作っていないですが、
    あらかじめレール下部に数か所穴をあけて電動カンナ治具に使用している材料押さえブロックが使えるようにするなどしました。

    精度としましては、その治具でプラ版やマスキングテープなどスペーサーを駆使してなんとか材の4面を綺麗に平面出しすることができ直角も出せました。
    指で材の端を押してもほとんどガタつくことはなかったです。

    つたない文章で失礼しました。
    これからも素敵な動画楽しみにしております。

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    1. 色々と試してもらえて嬉しいです。材の4面を整えることができると作れるものの幅が広がります。それにきちっと製材された材料があるって単純に嬉しいですよね。木工って基本の作業が意外と大変だったりするけど、それはそれで面白いですから。多くの人にその喜びを味わってもらいたいなあ。

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