ウッドワックスの特徴と塗り方

アンティークワックス、花台


アンティークワックスを使って花台を作ってみました。

よく見かけるウッドワックスはいくつかありますけど、成分に少し違いがあり、それが製品の特徴にもなっています。ワックスの主な成分はワックス分、油分と溶剤、そして着色するための顔料です。

ブライワックスでは
 ビーズワックス
 カルナバワックス
 トルエンまたはエチレン、ナフサ

成分のすべては公開されていませんので上記以外も入っているかもしれませんけど、溶剤のトルエンが特徴的でちょっと匂いがきついです。メーカー曰くビーズワックスを100%溶解できるのがトルエンで、近年トルエン・フリーの製品を出しましたけど、エチレン、ナフサでは100%溶解できないので色のりがちょっと悪くなるそうです。ブライワックスの色の付き方は他とはちょっと違いますけど、この溶剤によるものかもしれません。

アンティークワックスは
 ビーズワックス、カルナバワックス
 合成樹脂
 ノルマルパラフィン

合成樹脂を入れているのが特徴です。合成樹脂というのはいわゆるニスの成分です。定着剤のような役割だと思います。ただ、ワックス分が多いのでニスのように表面に膜を張ることはありません。溶剤にノルマルパラフィンを使っているので匂いもほぼなく、使いやすいです。ノルマルパラフィンはミネラルオイルの親戚?かな。手肌にも環境にも優しいということですね。堅めのワックスなので一工夫すると扱いやすくなります。

オールドウッドワックスは
 ビーズワックス、マイクロクリスタリンワックス
 合成樹脂
 イソパラフィン

マイクロクリスタリンワックスはワセリンから取り出した固形分だそうです。溶剤はイソパラフィンですから匂いもなく優しい。アンティークワックスと同じターナーさんが作っていますが、シリーズに水性の着色剤があります。両方使うと着色の効果が高くなりますね。個人的には色々と遊べるからこれが一番面白いかな。こちらは柔らかいワックスで塗りやすいですね。

さて、ターナーさんのワックスに合成樹脂が入っていると言うことは、ワトコのようなオイル仕上げ塗料と保護皮膜という性能面では似たようなものかなと思ったり。色移りなども一度試してみたいなと思います。

ワックスとオイル仕上げ材は色々な面でとても似ている塗料です。実際混ぜて使うこともできます。オススメしているわけではありませんけどね。例えばオスモカラーという塗料がありますが、成分はワックス、植物油、合成樹脂、溶剤、顔料です。アンティークワックスとワトコを混ぜると配合や成分は違っても同じような塗料になります。ワックスには水はじきの良さがあります。ただ、表面に乗っているような状態なので長くはそれを保てません。オイルは木に染みこみますのでワックスよりは長くとどまります。昔からある塗装方法で長く使ってきましたけど、まずはオイルベースの仕上げを数回して、最後にワックスをかけます。日々のメンテナンスはワックスでしていきます。

ワックスやオイル仕上げの特徴として「輪染みが付きやすい」というのはご存じでしょう。元々保護皮膜としては弱いので水分が保護層を通り抜け、木に染みてしまうのです。もしテーブルの天板を塗装するつもりで、輪染みが気になるのなら、水に強い、つまり保護膜のできる塗料を選びましょう。その昔はニスを塗ることだったのですが、オイル系塗料にも合成樹脂分を増やしたものがありますので、それを選んだらいいでしょう。ニスは刷毛で塗りますので熟練のいる作業です。オイル系は   Wipe on と言いますけど、ウェスで塗り、拭き取ることができて簡単です。ここら辺の製品は今後試してから記事にしてみます。

アンティークワックスの塗り方についてはYouTubeの方でコツのようなことを取り上げました。ウッドワックスはどのメーカーでも他のワックス、植物油や溶剤としてペイント薄め液を加えることができます。植物油(乾性油)を入れると粘度が変わり、伸びがよくなります。えごま油は乾性油の中でも乾きやすく、さらっとしています。スーパーで手に入るのもいいですね。添加物のない100%のものを使います。

ペイント薄め液は溶剤ですからワックスを更に柔らかくできます。テーブルの天板など広い面積に塗るときに作業がしやすくなります。ただ、匂いがありますからね。ターナーさんのワックスと使う時は一考ください。

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