重ねて使う工具箱/ 野菜収納

重ねて使う工具箱/ 野菜収納
 

 野菜を入れるのにピッタリでした。

キャンプ道具を入れようと思って作った箱ですけど、タマネギやジャガイモの野菜ラックになりました。野菜と木は相性がいいですね。なんかホッとします。結構な収納力があって、下の段には乾物を入れています。キャスター付きなのは掃除の際に楽ですからね。

作り方は動画を見ていただくことにして、いくつか補足を書いておきます。
■反りをおさえる
ホームセンターで材料を買ってそのまま使うとなると、逃げられない課題ですね。まあ、気にしないのがいいのですが、キチッとした作りにしたいときはなんとかしたくなります。何かをキチッと精度良く作るというチャレンジもまた楽しいものです。クランプでおさえながら加工することができますし、薄板ならアイロンで平たくすることもできます。一時的ですけどね。古典的な手法です。

■トリマーでジョイントを切る
「精度の良い加工」はトリマーやルーターが得意です。ルーターには丸のこやジグソーとは違う特徴があります。それは基準面から2つの面を切る、削ることができること。丸のこもそういう使い方ができますが、刃の違いがあります。ルーターには様々な刃があって、加工内容に合わせて選べるのが大きな特徴です。

例えばミゾや切り欠きは丸のこでもできますし、材料が大きくなればそれしか選択肢がないときもありますので、大工さんはそうしますね。今回は14mm厚の杉材を使いました。ここはトリマー、ルーターの出番です。

基準面から2面が同時にきれいに切削できることって・・すごいことだと思うんです。ジグとの相性もよく、様々な場面で活躍します。特にジョイントを切るのが得意・・これが思ったようにできると楽しいです。ミゾと切り欠き加工を使って箱作りをすることでその面白さ、楽しさを感じてもらえたらと思います。

■ジョイントの仕上がりを考える
ネジというのは偉大な発明です。あらゆる場面で重宝します。難があるとすれば「目立つ」ことでしょうね。木工では特にそれを感じますし、箱のような薄板で小ぶりなものだと尚更です。ネジは見えない作りにしたいです。一般的にはネジを打ってからダボ埋めするという方法になりますが、材が薄いとネジの位置が端ギリギリに迫ります。そこで「割れ」という課題が出てきます。杉材だと特に・・。さて、どうするか?

■ネジdeクランプ
合板にビスを組み合わせた押さえ工具です。この方法はクランプがうまくできない異形のものなどに使うことがある裏技的なことです。大体クランプでなんとかしますしね。ただ、DIYということで考えるとクランプの数も十分でないでしょうし、色々な長さのものを揃えてないといけませんから、ハードルが高いでしょう。ネジdeクランプは作るのに一手間ですが、応用範囲が広く、コストもミニマム。またネジだけで押さえ込むより広い範囲に強く圧をかけられるのでジョイントの付きがよくなります。

■組み立て
組み立てはちょっと手順がありますが、ひとつ覚えると応用ができるようになると思います。加えて細かいノウハウも見てもらえるのではと思います。基本形があって、それの繰り返しなので複雑なようでシンプルなんです。この手順とネジdeクランプの使い方は色々な組み立てにも有用なのではと思います。

■目違い(段差)を取る
今回合板で簡単な道具を作りました。手間はかかるけど誰でもできる方法にしました。ポイントは長さがある道具を使うことです。平鉋が使えればもっと早く確実に作業できますけど、小鉋ではあまりうまくいきません。ですから合板も長いものを用意します。40cmくらいがいいでしょう。長台鉋ですね。

■木釘で仕上げる
ネジdeクランプは下穴を開けますから、その始末が必要です。そしてネジを抜いてしまうので接合の補助がなくなります。そこで木釘を使います。斜めに打つことでネジと同じくらいがんばると思います。ネジは金属なのでいずれゆるみますしね。木釘はうまく木の収縮に馴染んでくれるはずです。補助であることには変わりませんが、アンティークにも多く見られる技法です。木釘はクラシックな仕上がりになるのもいいところだと思います。ダボ埋めよりも上品かな。

詳しい製作用図面があります。PDFにはネジdeクランプの図面も入っています。
こちらからどうぞ

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