サンドペーパー・紙やすりの使い方

サンドペーパー、サンディングブロック


木工作業の中で正直一番しんどいのが・・ペーパーがけ

仕上げをしない、あるいはサンドペーパーを使わないという選択肢もありますけど、がんばって下地を作って仕上げるのもまた木工の面白さだと思います。

動画の方でサンドペーパーの使い方とちょっと楽する方法を紹介しました。少し補足しておきますね。

■切れるサンドペーパー

紙やすりは学校でも工作に使ったりとなじみ深い道具ではないかと思います。ただ、DIYで家具を作ろうかなと思ったら「空研ぎペーパー」を選ぶのが吉です。番手によってはお値段3倍くらいですが、作業にかかる時間が半分、切れが続く時間が倍と・・その両方を考えるとむしろお得です。特に手作業では「疲れ方」も大事なことで、倍の時間作業すると、たぶん倍以上疲れを感じます。ちなみに紙やすりはクラシック家具や楽器など繊細なもの作りをする現場で使われています。「深い傷が付きにくい」という特徴に利点を見いだせれば価値があると思います。

■作業環境を整える

まあ、後回しにする内容ですよね。うーん、若い内はいいんです。無理しても(笑)
でも、腰痛が気になる人には作業台の高さなど大事なことだと思います。ほこりも同じです。息が楽にできる、メガネが曇らない→集中力を削がれない→作業が進みます。

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■使い方や手順をよく知る

番手の選び方を知っているとムダな作業が減ります。サンドペーパーでの作業は最初の番手が仕事をして続く番手で傷を消していく・・そういうイメージです。ので最初の番手をいくつにするかが大事です。そしてあとの作業を考えると細かい方で始めた方が早く終われるわけです。ただ、削る道具には研削と研磨という2つの作用があって、言葉通り、削るか磨くかですけど、そのどちらが強く作用するかです。概ね120と180番が境目で120以下は削りが強く、180番以上は磨きに寄っている感じです。最初の番手に180番を選べるのはもうあまり削る必要がない状態で全体をむらなく整えたい時です。色々な状況を考えると120番から始めるのがいいでしょう。

経験からこれは80、120あるいは180からでOKとわかるようになります。動画ではSPF1x6にペーパーがけしていますので80番から始めています。手作業で機械の痕などを効率よく取るには必要でしょう。

■塗装下地を作る

番手を順番に沿って上げて行くのが大事で、飛ばすと前の傷が消えず、結局後戻りすることがあります。実は80、120、220で進める方法もあります。ただ、220番が日本のメーカーさんには必要がないのかあまり見かけません。ので80、120、180、240と進めます。仕上げとの相性で180番で終わってもいいでしょう。ちなみにこの180番までの番手は同じメーカーのものを使った方がいいです。番手には製造規格がありますが、メーカーごとに味付けがあるので実際は結構違うんです。240番以上はメーカーが違っても大きな差を感じませんから大丈夫だと思います。

あとメーカーによって質はかなり違います。長く同じ調子で切れるかどうかが大事な要素ですが、ここら辺に技術力が出てくるのだと思います。歴史のあるメーカーの物を選ぶのがいいですよ。手作業用は3M、コバックス、三共理化学、サンダーにはBoschを使っています。

■サンディングブロックの作り方

簡単に作れて、ペーパーの交換がしやすいサンディングブロックを考えました。サンディングブロックは色々な形がありますし、使う人の好みもあります。個人的にはペーパーの交換がしやすいのが大事だと思っています。これが面倒だと、交換のタイミングが遅れがちです。それが結局効率を落とします。

日々の作業には手間をかけて、時間もかけてやるのがモットーですが、サンディングだけは違います。効率最優先!・・いやーだって・・しんどいですもん。

最後にサンダーの話を少し・・木工用の電動工具は色々ありますが、サンダーが一番種類が多いでしょう。それも「しんどさ」故でしょうね。丸のこ、ジグソーは1台しか持っていませんが、サンダーは・・うーん、6台+サンダーとして使うことが多いグラインダーが3台あります。理由はいくつかありますけど、主に作業内容によって使い分けるからです。年に一度出番があるかないかという機種もありますけど、その作業では不可欠なんです。

一番使うのはBoschのランダムアクションサンダーGEX125AVEですが、前のモデルから30年使っています。この機種は125と150mm径のサンドペーパーが使えるという特徴があります。150mmである程度幅のある板、天板の仕上げに使います。他に代わりがないサンダー。

あとは作るものによってまちまちですけど、リョービのS-550M・・1/6シートの小型オービタルサンダーが結構便利なんです。この大きさならではの使い勝手があって重宝します。特に彫刻的な曲面の多いものではパッドに一工夫をして使っています。30年以上前からあって未だに売っているのが驚きであり、有り難いと思います。

初めての1台だとしたら・・選び方としては一番しんどい作業を効率よく助けてくれる機種を採用することです。例えばペンキはがしや再塗装をやる予定があるのなら、入り隅があります。ここはアイロン型のコーナーサンダー(オービタルサンダー)がいいです。オービタルサンダーは研削力はマイルドですが、その分コントロールしやすく、どんな箇所にも使えるオールマイティな性格です。

棚板のような幅のある板材をサンディングするのなら、それが一番しんどいので、そこで輝くランダムオービタルサンダーがいいと思います。125mm径でいいと思います。研削力が強く作業が進みます。

まあ、とにかくサンディングは嫌にならない内に、休み休みやるのがいいと思いますよ。

サンディングブロックの図面があります。無料でダウンロードできます。
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