作業台は色々なことに使いますが、加工するときは手加工でも電動工具を使う時でも別途「押さえ」が必要です。片手で押さえて、片手で道具を使う際でも、押さえがあった方が安心、安全ですし、効率よく作業できます。トリマーも同じで材料のちょうどいい所に押さえがあると助かります。
工房には3台の作業台がありますが、幅はすべて60cm・・この大きさが使いやすいのですが、幅のない短い材だとクランプがうまく使えないことが多いです。適当な合板を2~3枚探して、それを止めて押さえにします。まあ、それでいいのですが、結構手間がかかります。それに適当な合板がいくつもあるのが前提です。DIYだと、どうかなあ・・合板もクランプも、そして作業台も・・
いっそのことミニ作業台を作った方がいいのではと思いました。これがあれば色々解決します。折りたたみ式のワークベンチを使っている方も多いと思いますが、その上でも使えますし、3x6合板を作業台にしている方も端の方に乗せるだけで色々と便利になります。
そして、この作業台は削り台にもなるよう設計しました。カンナでも使えますが、トリマーで使う削り台です。材料の幅や長さをちょっと調整したい、揃えたい時に使えます。工房であればテーブルソーや手押しカンナ盤でする作業です。それをトリマーで可能にしました。
さて、トリマーやルーター作業に経験豊富な方なら・・「ルーターテーブルでいいよね」と思うでしょう。答えはYes & Noです。
ルーターテーブルの方がより安全に難しい加工もできますが、削り台のような使い方をするには手の込んだフェンスとマイターゲージが必要です。簡易なルーターテーブルではできません。正確には色々と工夫すればできると思いますが、かえって手間でしょう。
工程数が多いとき、例えば同じ加工を20回30回とするのならルーターテーブルを使います。複雑なミゾ加工ならやはりルーターテーブルがいいです。でも、4本の部材に単純なミゾ加工をするのなら、手持ちでサクッと済ませた方が早いですね。実際ほとんどの作業は手持ちでできますし、ルーターテーブルは「困ったときのなんとか」のような使い方をしています。
ルーターテーブルはまだ必要ないなあという方なら、まずはミニ作業台を作ってみたらどうでしょう。手道具との相性もいいですし、色々と重宝すると思います。将来ルーターテーブルを持つことになっても、ミニ作業台がいらなくなることはありません。
動画の補足説明をしておきます。
■ミニ作業台の二つの機能
既に書きましたけど、2番目の方が目玉だと思っています。ルーターという道具は刃の形状がいっぱいあり、機械の精度が高く、ジグとの相性がとてもいいのです。この特性を活かすことで幅、長さの調整に使えるのです。0.1mm以下の調整も可能です。丸ノコは使いたくない・・でも精度良く材料を切りたい・・こういう時にも役立ちます。
■材料を押さえる
ほとんどの作業で押さえることができます。ちょっと難しいかなと思われるものでも、工夫次第でなんとかなりそう。
■材料の幅や長さの調整
ここで使うビットですが、有効長25mm程度のベアリング付き目地払いビット(Flash trim bit)、できれば3枚刃、または刃が少し斜めに付いているときれいに切れます。木端を切る時は木目を見て逆目にならないようにします。
■ミニ作業台の作り方
材料も少なく、作りも簡単です。いくつかミゾ加工があるのでトリマーを使いこなすにはいいプロジェクトです。トリマーはできることがいっぱいありますけど、「こういう加工がしたい」という思い、経験があって初めて活用できるようになっていきます。6mmのビットで7mmのミゾ加工をする・・これだけのことですが、手順を知るにはもってこいでしょう。
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