ホビーカンナ、刃の表裏を替える

 

ホビーカンナ
勉強になります。そして記事内容の訂正です。

先回「刃研ぎのコツ」を取り上げましたけど、記事にあるように動画にコメントをいただいたからです。「刃を研ぐと切れなくなりました」とのことだったので、刃先が研げていないのではと思いました。一般的にはそれが原因だと思いますが、ホビーカンナでは別の理由もあるようです。

このカンナ、刃の仕込みが少し変わっています。仕込み角が浅く、刃先の角度と同じくらいなんですね。いわゆる逃げ角が少ない状態です。何か理由があるのでしょうけど、刃研ぎは難しくなります。とはいえ、ホビーカンナは替え刃式ですから、刃を研ぐのは想定外ですかね。

刃を研ぐと何が起こるかというと、刃先の角度がわずかに変わります。それは元々が回転砥石での研ぎなので刃先にゆるいカーブが付いていますが、それがなくなり、刃先は微妙に鈍角になります。更に研ぎにくい刃なので何度も研けば「丸刃」になりやすく、そうなれば更に鈍角になります。こうなると刃先は仕込み角度とほぼ同じ、あるいは仕込み角度よりも鈍角になってしまうこともあるでしょう。逃げがなくなり、刃先は材料にうまく当たりませんからコメントにあるように切れなくなりますね。

でも、幸いなことに解決策があります。刃の表裏を入れ替えます。ちゃんと切れます。This side up面を下にします。入れ替えてもいい理由があるのですが、これは別の機会にします。

ただ、この場合刃口が数ミリ広がるので刃の食いつきがとても上がります。ガツっと食い込みます。ので刃の調整をしっかりしないと使いにくい場合があります。コツは刃が出ているかどうかわからないくらいにすることです。具体的には刃がわずかに見える状態で傾きを直します。その後台尻を軽くたたいて刃を戻します。試し削りをして、調子を見ます。刃を戻しながら、できるだけ薄い屑が出るようギリギリを狙います。戻しすぎたら、今度は刃をちょっと出して・・と、根気よくこれを繰り返します。

刃口は狭い方が何かといいのですが、このホビーカンナの使い勝手を考えると「食いつき重視」でいいのかもしれません。面取りや荒削りなど手早く作業するのが役割ですもんね。

ちなみに刃の傾き調整は動画のように台頭の左右をたたくよりも台の側面をたたいた方がいい場合がありますので、試してみてください。

動画の題材にホビーカンナを取り上げた理由は初めてのカンナ、気軽に試せる1台としていいのではと考えたからです。でも、自分もとっても「初めてのホビーカンナ」でした。発見が色々とあって、勉強になりました。もうちょっと調べてから再度記事にしますね。

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