クランプを使わないで棚や箱の接着作業をする方法

クランプを使わない方法 ネジdeクランプ

 
ああ、工具箱で見ましたよという方もいるかもしれません

「クランプを使わない圧締方法」ネジdeクランプを今回バージョンアップしました。前回は薄手の材料、14mmで箱を作ったのであれでもよかったのですが、ネジを締め付けるとねじ頭が合板に食い込みます。何度も使うにはちょっと不便だし、もっと強く締めたい時もありますからワッシャーを追加することにしました。これによってインパクトドライバーで強く締めても大丈夫になりました。またネジの選び方なども解説しています。

このネジdeクランプを使う際に1つだけ注意してほしいことがあります。動画内で締め付けの最後は手回しドライバーを使っていますが、ここがポイントです。木の木口というのはそもそもネジが効きにくいのです。インパクトドライバーで強く締めると材をねじ切ってしまうことがあります。厚材での使い方、2x材でインパクトドライバーを使って見せましたが、あれは90mmのネジを打っているので途中からガガガってなってます。でも、加減を見て最後は強く締め付けすぎないようにしてます。

また、「DIY仮組み普及委員」をやってますので仮組み時にもちょっと注意がいります。本組みでは既にネジが切れているので短いネジだと空回りすることがあります。長いネジを用意しておくのが大事です。+10~15mmでOKです。

最近ダボ継ぎのことをよく考えるようになりました。精度の出るダボ穴治具の作り方を前回紹介しましたけど、その治具の使い方など含め、この後に公開していきます。そして、ダボ継ぎなどネジを使わない接合方法には接着剤を使います。接着剤を使う際は接合面同士をしっかりと密着させるのが大事です。特に木工ボンドはピッタリ合ってないと接着性能がでません。クランプで圧締して1~2時間養生する必要があります。

ですが・・クランプはお高い・・パイプクランプは廉価な方なのですが、それでも1本4~5千円で棚を作るのなら5本は欲しいところです。本気で色々作っていくのなら揃えたい道具ですが、DIYなら買わずに済ませたいですよね。

そこでネジdeクランプをオススメします。クランプを買わずに済む!というのも大事なことですが、ネジ穴の処理のため最後に木釘を打ちますが、これは飾りではなく接合強度をとても上げます。ダボ継ぎの弱点を敢えて言うと長期の信頼性です。特に1xなどの無垢材に使うと木の収縮で緩みが出てきます。ダボは緩みがでて、接着剤が切れるとスポっと抜けてしまうんです。量販店で買った家具などでダボが抜けて壊れるというのを経験した方もいると思います。木釘は敢えてまっすぐに打たないのが肝で、打ち込まれてしまうとダボとは向きが違うので一緒に抜けることがありません。

ダボ継ぎを使いたい理由のひとつにネジを使ったり、ダボ埋めしたくないからということを聞きます。その点ではネジdeクランプは木釘を使うので見た目は少しダボ埋め的ですが、ネジは接合部には入ってないし、よりクラシックな仕上がりになり、「ネジも釘も使っていない」と言えます。接着剤を使わない接合方法では昔から木釘を使ってきました。英語ではwooden pinといいますけど、クラシック家具をよく見ると色々な所に使われています。つまりそういう風情が出ちゃうわけです。

ネジdeクランプはしばらく前に思いついた技法ですが、もしこれを昔から知っていたら随分と助かったのにと思います。やはり大きめのキャビネットや棚を組む時の接着作業は大変です。大きいというだけで色々と難しくなります。段取りをよく考えてから取りかからないとなりません。昔は工房で一人で作業していたので、難易度は更に上がります。接着剤は入れ始めたら、乾き始める前に素早く圧締しないとならないからです。そして長いクランプも必要でした。年に1回使うかどうかという2mのパイプクランプです。

プロでもDIYでも「クランプを使わない方法」はとても有用だと思うのですが、いかがでしょう?

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