トリマー、ルーターのビット選び

トリマー ビット

 トリマー、ルーターはDIYでも本当に便利

ところがビット、切れ刃がないことには使えません。この選び方もなかなかわかりにくいことが多くあります。平面出しルータージグの制作に関して質問がありましたので選び方について私の考えを書きます。

■ストレートビット

一番使うビットですが、種類も多く悩みどころ・・ザックリした結論を言えば、超硬刃なら大体切れます。(笑)大体というのはとても廉価なビットもあるので,そこら辺は切ってみないとわからない。でも、使い方もありますからね。切れないなりにうまく使うコツもありますよ。で、ここ20年くらいでポピュラーになったスパイラルビットが気になる人も多いと思います。その昔からありましたけどすごく高価でした。今はちょっとお高いくらい。スパイラルと通常の違いは大きく2つあります。

1.切れ刃の形
2.切れ具合

1は見たとおりですけど、スパイラルビットはドリルビットの特徴も持っていて材料に対して垂直にも切れ、切り粉を排出する構造です。止め溝やホゾ穴を加工する際に効率がいいです。スパイラルにはアップカット、ダウンカットがあります。刃のねじれの向きが違い、アップカットは切り粉を上に、ルーター側に引き上げます。ダウンカットは下に向かって排出します。使い分けるとしたらアップカットは深い溝、ホゾ穴を開けるときに使います。切り粉が穴に溜まらずに作業できます。ではダウンカットはというと材料を上に引っ張らないので木目を横切る際に表面が荒れにくい特徴があります。ナラやタモのような材だと違いは大きく、ダウンカットは本当に助かります。合板も表面の付き板が薄いので横切る際に違いが出ることがあります。

2はスパイラルビットの方がよく切れる・・場合もあります。材料と使い方によります。スパイラルビットは斜めにそぐように切りますから逆目に有利です。硬い材料や合板でもビットがブレにくく、きれいに切れます。アップカットとダウンカットの特徴を理解しないと逆に切れにくい,荒れることもあります。その点では通常のビットでは悩まずに済みますね。長く通常のストレートビットで作業してきましたけど、効率の面を除けば問題なく使えます。効率と言っても2倍速く切れるとか、そんなことはないですよ。逆目が出にくいから後が楽とか、バリを押さえることができるから手間が減るとか・・そういう細かいことです。予算が許せばスパイラルビットはオススメです。

SPF、ヒノキ、スギなどの材料はちゃんとした質の通常ビットで十分。ナラなどの堅木を加工するならスパイラルビットがいいです。もしスパイラルビットを試すのならダウンカットを入手した方が使いどころが多いでしょう。ただし、溝加工なら切り粉が詰まるので作業スピードを落とし、一回に彫る量も減らします。適正な削り量はトリマーやルーターが教えてくれます。多すぎれば抵抗があり、切削音や刃のびびりでわかります。切ってるの?と思える量が適正です。6mm径のビットなら深さは3ミリくらいですが、材料によって変わりますので、2mmくらいで試して、いけそうなら次は3mm、4mmとやってみるのがいいです。

Q:平面出しルータージグの製作で動画内では6.4mmアップカットのビットを使っているが、6mmダウンカットでも問題ないか

A:ベースでの通し溝加工をしました。15mm合板x2で30mm厚ありましたので作業性を考えてアップカットを使いました。通常のビットでもダウンカットでも作業できます。溝に切り粉が詰まりますから掃除しながらの作業になります。ビット径に関してはM6のボルトを通すので余裕を見て6.4mmのビットを使いましたが、6mm幅の溝でもボルトは通りますし、溝幅を広げるのは簡単です。貫通後に作業フェンスを少し動かせば広がります。

■コロ付きストレートビット

とても応用範囲が広いビットでトリマー/ルーターを最大限に活かすビットです。コロは刃の上下どちらかに付いてます・・両方に付いてる特殊なものもありますけど、軸の方に付いている10mm径で刃長15mmくらいを一番よく使います。あと刃長6mmくらいの短いビットが細かい作業で重宝します。コロがビットの先に付いてるのはフラッシュカットビットとか呼びますけど、箱などを作った時に接合部の目違いを取る時に重宝します。それ以外ではミニ作業台で材料のトリミングに使えますけど、出番は少な目。今は色々と選べるのでいいですね。kikikumaは大日商ガイドベアリング付ストレートを使ってます。国産?なのでちょっと値がしますが、間違いないものがほしい方にオススメ。もちろん廉価なものでも十分使えると思います。

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