電動カンナ治具:平面出しが手押し、自動カンナがなくてもできる!

電動カンナ治具、平面出し

 

やっとできました。電動カンナ治具

時間かかりましたねー。半年前ですか、コメント欄に「電気カンナ治具をお願いします」とあったので考え始めたのですが、これがなかなかの課題で・・ご存じの通り、いくつか動画ありますけど、カンナに穴開けしないと治具ができないし、金属加工も含めてかなり難易度が高いです。もっと簡単に作れて実用的な治具はできないものかと思案しました。

なんとなくアイディアが浮かんだので試作をしたんですけど、うまく削れないのでしばらく置いておきました。果報は寝て待て・・しばらくすると何か降りてくるものです。

で、来ました!

世にあるジグは電気カンナの機能をそのまま使うものです。手カンナのように台を材料に乗せて削ります。そうなるとカンナの前後を支えながら、高さを調整する機構が必要になって複雑な治具になってきます。で、カンナに手を入れずに治具を作るには、まずはカンナの固定方法を変えないとなりません。カンナの前端にはオプションを付けるための穴があるのでそれに丸パイプを通せばいいけど・・後端をどうするかです。

色々と考えた結果、後をレールに乗せてなんとかならないかな・・台は材料に触れない状態になってしまうので刃が届くかどうか・・削れるのか?というところまで行けました。カンナを宙に浮かせた状態で削れたら色々と解決するんだけど。つまり自動カンナ盤のように回転する刃がある高さで回っていて、材料がその下を通るような感じ・・

まあ、ここからが大変だったけど、割愛。結果は動画でご覧の通りです。どの治具も一長一短あると思うんですけど、この治具は材料に触れずに切ることから、材厚によってはびびりが出ることがあります。その際は削る量を減らせば大丈夫。ネガティブ部分はそれくらいで、メリットの方が多いかな。他の治具よりも簡単に作れて、より実用的だと思っています。

複数枚の厚みを揃える作業ではシム(薄いプラ板)を使って材料の高さを変える方式が優れていると思います。従来からある治具の場合、カンナの高さ調整は4点でするでしょうし、手間がかかります。あとちょっと削りたいのに・・という時に面倒です。あと0.3mm削りたいとかはいつもあることですしね。

材料の平面出しや厚みを取り直したい・・そう考えてるDIYerに是非使ってもらいたい治具です。

補足としては・・

0.1mmでの仕上げ削りの方法・・

材料を置いて、刃の調整をし、始めは0.3mmくらい刃をだして削ります。その後はシムを使って材料の高さを上げながら削っていきますが、最後にあとちょっとという時。仕上げ削りをしたい時はカンナの方で調整して0.1mm取ります。よりきれいに仕上がりますし、節などがあるときも、逆目を押さえることができます。ここでもカンナの最大切削深さが大きいほど余裕があって、調整シロが増えますのでこれから電動カンナ買おうかなという人は仕様をよく見てくださいね。2mm削れる仕様がいいです。

そしてカンナの刃の調整ですね。替え刃式であっても刃の左右の出方の微調整が必要なことがあります。どちらかに傾いているとカンナむらが大きく出ます。うまく削れない時は要チェックです。この治具は電動カンナで刃幅以上のものを削ろうとするものです。カンナむらはある程度受け入れないとなりませんが、治具以上にカンナ自体の状態、精度の方が仕上がりを左右します。これは治具の試験を色々とやってみてわかったことです。カンナの方をもっと調整できればいいのですけど、そもそもそういう道具じゃないですからね。

ので・・まあ、これくらいならOKというおおらかな気持ちで使ってください。サンダーや手ガンナでちょっと修正すればいいだけのことですし、平面出しが気軽に手早くできますからね。手押しや自動カンナがなくても、もう大丈夫!


コメント

  1. こんにちは

    設計図をダウンロードした者で現在この治具を作成する準備をしようと思いいくつか質問があります。

    動画に「治具で使う電動カンナの条件」がありますが、
    私が所持している電動カンナの最大切削深が1mmなのですが、
    動画を見る限り、最大切削深が1mmだと治具を使用することは難しいということでしょうか?

    お答えいただければ幸いです。
    もし私が所持している電動カンナでも対応可能でしたら残りの質問もさせて頂ければとおもいます。

    よろしくお願いいたします。

    返信削除
    返信
    1. 切削深さ1mmのカンナもありますね。この場合、実際の切削深さを確かめてみてください。

      機械ですからマージンを取っていて1mmよりも深く削れることがあります。具体的には目一杯調整ノブを締めて、その際のギャップを測ります。動画でも2.6mmの合板を差し込むシーンがありますが、ここが最低でも1.5mmほしいところです。1.5m厚のプラ板(薄いものを重ねてもOK)などで確かめます。

      1.5mmあれば治具は使えると思います。それ以下だといけるか、いかないか・・やってみないとわかりません。実際に削る量は0.3mmくらいでOKなんで、ザックリ概算では0.8+0.3=1.1mmですが、少し余裕がないとアルミのレールが当たってしまいます。もし1.5mm以下なら、アルミアングル材ではなく0.5mmの真鍮板を切って使う方法もあるかと思います。厚み0.3mm分余裕が出ますが、たわみ等出るかもしれないのでこれも試してみないと・・ですね。取りあえず切削深さを測ってみてくださいね。

      削除
    2. お返事いただきありがとうごいます。

      動画のように台の上にカンナを置き、刃を最大まで出した状態で1.5mmではなく1mmの真鍮板で差し込めるか試したところ1mmの板でも入らないことを確認しました。
      1mmまで切削できるのに、1mmの板が入らないのでもしかしたら私の計測方法が悪いのかもしれませんが...

      また刃を最大まで出したカンナの前後に約0.8mmの板を置いて削りたい材に刃が当たるか確認したところ当たりませんでした。

      そうなるとご提示いただいた案のアルミアングル材ではなく0.5mmの真鍮板を使用する方法も難しいんでしょうか?
      0.5mmの真鍮板を持っていてさきほど確認したのですが確かにたわみそうですね。

      ご回答いただければ幸いです。
      よろしくお願いいたします。

      削除
    3. 最大で1mmに達しないというこですね。0.8mmも出てない可能性もありますね。この場合規定の数値にそもそも調整されていないと考えられます。メーカーさんにその旨伝えて調整してもらうか、調整方法を教えてもらってください。もし調整が簡単ならご自分でやることで最大切削深さを1mm以上にすることができるかもしれません。

      前後に分かれているベースの前側を調整する機構だと思いますが、本来は0位置で前後のベースが同じ高さに揃うわけです。規定の数値が出ないというのは0位置で揃わず、むしろ前が後よりも下に出ている状態になっている可能性がありますね。確認してみてください。

      もしそうなら、ここの調整で0位置で0.3mmほど前を上げた状態にしておけば最大切削深さを増やすことができるかもです。0位置で前後が揃っていなくても実用上は問題ないと思います。ただ、0.3mm以下の削りができないということです。もし治具メインで使うのならできる限り出るように調整するのも手ですね。

      メーカーさんはリョービですか?ML-83Sの説明書を見ましたが、刃高の調整もできます。更にここで少し調整できるかもしれません。これは改造ということではなく、調整の範囲ですから機械的には問題ないと考えます。ただ、調整は少しずつやって、刃がどこかに当たってないかとか・・様子を見てくださいね。

      削除
    4. お返事いただきありがとうございます。

      測定方法ですが、刃を最大まで出し前に傾かないよう後ろに少し体重をかけた状態で平なところに置き、前部分に1mmの板が入るかどうか測定しました。

      kikikuma studioさんがおっしゃているメーカーの電動カンナを使用しています。
      刃は前回コメントをいただいたあと調整しできる限り出しました。
      いっぱい出すとおっしゃる通り削る際に他のところにあたるのでそこまで出せませんでしたが・・・

      ちなみになんですが、0~1mm以上に切削調整ノブを回すことが可能なんですが、ただ説明書には(1回以上回さないでください)と記載があるのでやはり安全に使用するにはメモリ以上に回すのはやめたほうがいいでしょうか?

      今度、電動カンナの前後に0.8mmの板を貼り付けた状態で削ってみてそれで材が削れたら
      私の電動カンナでもこの治具が使用可能と判断できるとおもうのですが、このテスト方法は有効でしょうか?

      いつもご丁寧にご返信いただき感謝いたします。

      よろしくお願いいたします。

      削除
    5. ということは、1mmの板は入ったんですね。1mmはギリギリでしたか?それとも余裕がありましたか?更に刃高の調整をされたんですね。

      余裕が多少あって、刃高調整もしてあれば1.5mm程度削れるかもしれませんね。テストは0.8mmではなく1.2mmくらいのスペーサーを前後端につけて試してみてください。これで0.3mm以上削れたら治具は使えます。

      ノブの方ですが、メーカーさんはたぶん回し過ぎると調整ネジ、ネジ穴が切れてしまうのを危惧しているのではないかと思います。安全性とは関係がないと思います。ですから多少余計に回しても大丈夫だとは思いますが、抵抗があればネジが切れるのではないと思います。不安があればメーカーさんに聞いてみてください。

      ちなみに刃高を規定以上出した状態で通常の使い方をすると、削りに変化が出ますので、留意ください。調整後は治具メインで使うことになります。

      私もこの機種で治具が使えるのかどうか興味があります。こちらこそお付き合いいただきありがとうございます。

      削除
    6. 返信いただきありがとうございます。

      お伝え方法がややこしくて申し訳ありません。
      刃の調整はしていますが、1mmの板は入っておりません。
      1mmの板を入れるときの測定方法をお伝えしておいてたほうがよろしいかと思って記載させていただきました。

      ノブと刃を規定以上出した場合の注意事項承知いたしました。
      教えていただきありがとうございます。

      テストはご提示いただいた1.2mmで行ってみます。
      もしメモリ上限の1mmでも刃が材につかない場合は少しノブの限界を超えて回して材に接触するかもやってみたいと思います。
      テスト後またコメントさせていただきたいと思います。

      いろいろとご指南いただきありがとうございます。

      削除
    7. こんにちは

      テスト実施いたしました。
      テスト方法ですが以下になります。

      ⚫︎1.2mmのスペーサーを使用して実施したほうがいいとご指摘いただいたので行ってみたのですが、材に刃が当たらなかったので1mmのスペーサーで実施。

      ⚫︎ノブをこの機種の最大切削メモリの1mmを超えて約1.8mm分ノブを回して実施。
      それ以上回すとノブがかなり固く、破損のおそれがあったので1.8mmに留めています。

      ⚫︎刃を更に再調整し前回より気持ち程度ですが出して実施。

      結果:複数の材で試しましたが、1mmのスペーサーで約1.8mm分ノブを回せば材にもよりますが、0.1~0.3mm切削できました。

      切削深の測定方法ですが、アナログのノギスを使用して測りました。
      アナログのノギスで素人の計測なのでなんとも言えませんが、一応全ての材に刃があたり切削できていることを目視で確認できる具合には切削できておりました。

      材にもよりますが0.3mm切削できたのでこの機種でこの治具は使用可能と判断できますでしょうか?


      よろしくお願いいたします。

      削除
    8. 削れたのは良かったですね。今のところギリギリですが治具が使えそうです。余裕がほとんどないので上手に調整しながら使ってください。

      やはり気になるのは目盛り通りに1mm削れないことですね。本来はねじシロを入れたら最大1.8mmくらい削れるはずですね。1.8mm削れる状態なら、更に刃高も調整してますから、十分な削り量が出せます。

      治具を使ってみて、削り量に納得できないようならメーカーさんに調整を依頼してはどうでしょうか? そもそも調整可能なのかどうか確かめてみるだけでも良いですね。調整は難しくはないと思うので、やり方さえわかればとは思いますが。

      うまく行くことを祈ります。結果もまた教えてください。

      削除
    9. 返信ありがとうございます。

      使用できそうというお言葉をいただけて良かったです。
      目盛通りに削れないのは、私のテスト方法がよろしくないまたはノブを最大目盛以上に回したことによって調整がおかしくなったなどいろいろ考えられますかね。

      確かに治具を使用してみて削り量がわずかだった場合はメーカーさんに相談してみるのも1つの手ですね。

      いろいろと親身にご相談に乗ってくださりありがとうございました。
      製作を始めたいと思います。
      完成しましたらまたコメントさせていただきます。

      ありがとうございました。

      削除
  2. こんにちは
    ご報告が大変遅れてしまい申し訳ありません。

    最近やっと完成したのでご報告にあがりました。
    私の作業レベルだとなかなか精度を出しながら作成するのに苦労しましたが、
    結果から申し上げますと、ほとんどガタつきなく削ることができました。

    まだテスト使用しかできていない状態ですが、これで歪んだ材でもDIYすることができるようになりました。

    また参考になればと思い2点ほどフィードバックさせていただきます。

    1.治具本体へのカンナのセッティングについて
    カンナのセッティングなのですが、設計図1ページ目のAの部分にセットするときに、
    kikikumaさんの動画に出てくるカンナだど前も後ろも水平かつフラットだと思うのですが、
    私のカンナですとカンナ前面の中央に突起があり、また後方は少し丸みを帯びており尚且つ
    カンナを動かす時にずれないように引っ掛ける箇所が数ミリしかでておらず、前後共にセッティングが難しかったです。
    ですのでスムーズなレール桟上の横スライドはあきらめ、切削するときに怪我しないよう治具本体とカンナが外れないことを優先しました。

    ですが後方は数ミリしか掛かっていないので何回も使用しているとそのうち治具の接地している箇所が摩耗して外れやすくなるということも考えられるかもしれません。


    2.対応するカンナについて
    以前コメントさせていただいた時に私のカンナは最大切削が1mmなので1mmを超えてノブを回せば切削可能かもしれないとお話ししましたが、やはりメモリ上限の1mm以上回さないと切削はできませんでした。

    こちらもセッティングの話になりまだ使い慣れていないということもあるかと思いますが、刃の出しろに余裕がないため、レール桟と削る材が当たりやすく、スペーサーで調整もしくは最初に治具を使用しないで少し削るなどすれば問題なく削れはしますが、セッティングが少し難しかったです。
    なので細かい高さ調整が必要なのでスペーサーは0.1~1.5mmぐらいまで全ての厚みを用意した方がいいのかもしれません。

    まだテスト使用の段階ですが、私が気づいた点は以上になります。
    他の方が作成する時にお力になれれば幸いです。

    使い慣れてきてまたなにかあればご報告させていただきたと思います。
    これで歪んだ材から解放されると思うととても嬉しいです。

    この度はいろいろとご相談に乗ってくださりありがとうございました。

    返信削除
    返信
    1. 詳しいご報告ありがとうございます。色々と試していただけたんですね。兎にも角にも削れたとのことでよかったです。
      リョービ、京セラの電気カンナは確かに前端に補強用の突起がありますね。レールにつけるカンナの上部押さえはカンナを持ち上げた時に治具が取れなければOKです。押さえはなくても平面出しはできます。ただカンナが外れてしまうと作業性がちょっと悪くなりますね。

      後端は数ミリ乗っていれば大丈夫だと思います。耐久性はちょっと気になりますけど。カンナの底面プレートが先に摩耗するか、アルミアングルの方なのか・・どちらも取り替えはできますけどね。ワックスをかけてすべりをよくして使うのがいいですね。

      お話しからすると最大切削1mmでは色々と難しいようですね。思いつきなのでスルーしてもらって構わないのですが、カンナの底面プレートを薄い物に変える方法があるかもしれません。今10mm厚であれば9mm合板にするというようなことです。前側のプレートだけでいいと思います。レール上で動かす場合は摩耗のことを思うと前後共に変えれば合板の方から減るでしょうから、都合がいいかもしれませんけど。これがうまくいくとプレート端の形状の諸々も解決し、カンナ本体の仕様から来る様々な課題がすべて解決する可能性がありますね。うーん、実験してみたい。(笑)

      kikikumaも毎回試行錯誤していますが、これが辛いところであり、楽しいところでもあります。これもDIYですね。楽しんでいただけたらと思います。何かありましたら遠慮なくコメントくださいね!

      削除
  3. こんにちは

    ご返答いただきありがとうございます。
    ご提案いただいたプレートを薄いものに変える案ですが、後方のプレートはネジで固定されいるのでネジを取れば簡単に変えることは可能ですが、前方は一見ネジなどは見当たらず、取り外しが難しいかもしれません。
    もしかしたら内側から固定しているのかもれもしれません。
    メーカーならもちろん取り外し可能なのでしょうが、ユーザーが外すのは難しいのかもしれません。

    なのでスペーサーの厚みの種類を増やして対応する形でやはり行こうかと思います。

    ご考慮いただき感謝いたします。

    返信削除
    返信
    1. リョービのはないのでマキタのカンナの分解図を見ました。同じような構造だと、前側のプレートの厚み変更はできないですね。残念。もうひとつ方法がありますが・・ラバーパッキンの交換ですね。でも前プレートの分解がいるので、改造してみたい方への情報としておきますね。オススメではありません。

      追加情報、ありがとうございました。

      削除
    2. こんにちは

      やはり交換は難しいのですね。

      分解は怖いので分解しないで使用したいと思います(笑
      ご連絡いただきありがとうございました。

      削除

コメントを投稿