平面出し用のルータービット、2+2デザインのビットを試す

ルータービット、CNC  2+2デザイン

 

いやー、驚いた。こんなビットあったのね。

CNCルーター用のビットなんですけど、4種類の材料がすごくきれいに切れました。ルータービットで平面出しをするというのはその昔からある考えで、大きな一枚板は自動カンナに入らないからルーターを使うのが定石です。NCルーターという自動加工機も昔からあり、近年はコンピューター制御になったのでCNCルーターと呼ばれます。そして専用のルータービットが数多く開発されてきました。

もう今では常識となったスパイラルビットですが、元々はNCルーター用だと思います。工業用途なので耐久性、加工速度を求められますから高価なものになります。それが近年、安価に作れるようになって私たちにも手が届くようになったわけです。もちろん高品質なものは今でも一桁違う金額です。昔、椅子の座を3次元に削るのにルータージグを作り、加工していたのですが、1/2インチのスパイラルビットだとなんとも切れが遅いし、荒れやすい・・工業用の荒取りビットがほしいなあって思いましたよ。懐かしい・・

で、今回のビットです。特徴的な刃の配置です。表面を削る専用のすくい刃が付いてるんですね。これがどれほどの効果を発揮するのか知りたくなりました。

自動カンナは表面を刃で切りますが、ルータービットは削り取ります。それぞれに得意不得意があります。ルーターは堅い材、木目が揉めている材、節周りとかは得意なんです。自動カンナでも削れますけど、どうしても逆目を抑えきれず荒れやすいです。一方SPF材などの柔らかい材は自動カンナの方が得意でルータービットだと荒れやすい。DIYでよく使う材料が不得意なんですね。

これがなんとかなったらいいのになあ・・

「はい、もう大丈夫!」

2+2デザインのビットは堅木代表のチェリーもナラもバッチリで、柔らかい材もとてもよく切れるんです。すごく細かいことをいえば、SPF材、杉材はあと一歩なんですけど、普通のビットと比べたら天と地の差です。後でカンナがけするのも、サンディングするのもあっという間のレベルで仕上がります。ということで自動カンナと比べてもいい勝負というか、節あり材なら格段に上の仕上がりですよ。まあ、手動ルータージグですから時間はかかりますけどね。

DIYで小物を作るのなら自動カンナはいらないかも。自動カンナはスピードが命、それ以外は不得意なことが多い、そして場所を取り、音もうるさい、大型集塵機が必要という3重苦。

ビットひとつでここまで変わるとは・・開発の皆さんありがとう!

今回のビットです。
SpeTool W05004 Mini Surfacing 2+2 Flute Design 1-1/4" Diameter x 1/4" Shank Router Bit
1/4インチ軸なので小型のルーターでも使えていいですね。CNC用は1/2インチが標準だから
ルータージグを本当に使い倒すなら大型ルーターで大きめの刃を使う方がいいですね。ルータージグのレールにはひと工夫しないとなりませんが、対応可能です。

kikikumaのルータージグ・・取りあえず十分だとは思いますけど、材料を入れ替える際にちょっと手間がかかるのでそこら辺をもうひと工夫すると作業性がアップするので今後の課題ですね。2+2デザインの刃でDIY、小物製作の現場では本当に何かが変わるかもしれない。実際小型CNCルーターも安価になってきて工房製作でも手が届くレベルだそう。金属加工の世界でもターレットパンチャーが主流となって使う機械の構成が変わったそうだから、木工にもその流れが来るかもね。

まあ、kikikumaは治具は作るけど、昔ながらで工夫していくのが趣味だからCNCルーターを手にする日はないと思うけど・・うーん、でもなあ・・3次元に動くアームが付いてるやつは興味ある、ほしい(笑)

そうそう、追記で朗報です!2+2デザインの刃の切れ味を知って、これはあれができるかも!って思いました。世界初公開(たぶん)の「トリマーでカンナ」という治具を作りました。とても簡単に作れるトリマーベースで手ガンナのように使えます。記事と動画があるので是非試してみてください。

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