トリマー鉋の使い方とコツ

 

トリマー鉋、木口の目違い払い

先日の記事でも触れましたけど、カンナの話をすることになりそう。いや、どうしようかな。パンドラの箱は開けてはいけない、そうだったはず・・

さて、YouTubeのコメント欄にトリマー鉋の使い方について質問がありましたのでまずはこのお題に答えます。

<コメントから>
使い方を整理すると→
1.材の端部では、なるべく水平にトリマー鉋を動かす。
2.材の平面側では、トリマー鉋の自重で削る。

刃の出を目いっぱい少なくして、板側に押し込むような力は入れずに、鉋の自重で削るようにしましが、その方法でも均一には削れないので、ペーパーがけをしてごまかしました。

ーー使い方は正解です。木端削りでも同じですが、ベースが安定していない面では水平を意識します。意識で変わります。慣れは必要です。平面出し作業では自重で削ります。手鉋もそうですが、上から押さえて削るのはNG。例外はありますけどね。

次に板の平面出しで「均一に削れない」は・・たぶん
1.刃が当たらない箇所がある 
2.わずかな段差、刃の通った跡が残る
3.平面性が悪い

ですかね? 「鉋を使うコツ」は削ろう、材を減らそうとしないことです。鉋に任せること。削りたいところを削ってもらう。削れない箇所があれば、それには理由があり、無理するとそのしわ寄せがどこかに出ます。刃が当たらない箇所があれば、何故削れないのか考えて、削れるまで忍耐強くがんばるか、あきらめてサンダーを使います。あきらめも正しい選択ですよ。忍耐とあきらめは友達。

段差は鉋ムラです。これは刃幅、そして治具であればその精度が影響します。のでトリマー鉋であれ、電気カンナ治具であれ、ムラは出ます。平鉋でも出ることがありますが、削る量がとても少ないので気にならない程度にできます。ムラを少なくするには刃を出さないことです。0.1mm以下で作業するようにします。本当に表面を舐めるくらい。なんの抵抗もない、削ってるのを感じないくらいです。刃が材に当たって、トリマーが勝手に走るようなら、出し過ぎです。結構きれいに上がるはずですが、サンディングして均し、仕上げる工程も必要です。治具の記事も読んでみてください。刃の調整方法は動画の8:47にあります。

平面性が悪いのは修正できますが、テキストではうまく説明できないので・・動画がいいのかなあ・・皆さん鉋で平面出しする工程とか知りたいのかしら?

基本的なことですが、鉋は手加減で使う道具です。ある程度は道具がやってくれますが、観察と経験、作業手順も大事です。トリマー鉋はカンナを仕立てる難しさがなく、すばやく切削できますが、使い方は手鉋と同じです。うまくいかないこともあると思います。

平面出し作業の一番大事なポイントは何か?

板が大きく反ってないことです。表面の仕上がりではなく、反りを取ることに注力します。ちなみに真っ平らにするのは難しいのでわずかな凹面を目指します。凸面でない方が後工程に都合がいいです。まあ、取り敢えずはなんとなく平面でいいと思います。

家具作りの作業工程は下地作り、ジョイント加工、そして細かい作業があります。それぞれにあった道具があります。トリマー鉋は細かい作業に向いてます。トリマー鉋のベースは大きいですが、刃幅は30mmくらいです。つまり小ガンナの大きさで、平鉋の半分くらいです。板の平面出しもできますけど、とても手間がかかります。小さい板ならなんとかなると思うので、カンナ体験することはできますね。

Q:電動鉋が必須でしょうか?

A:棚の製作動画にあるように、いつも再製材してから作業するのなら電気カンナを治具と一緒に使った方がハッピーだと思います。家具作りは多くの工程があり、それぞれに手間がかかります。ひとつずつの手間をどう楽しむか、あるいはどう省力するかですね。

電気カンナ治具は諸々が影響し、真っ平らにはならないと思います。鉋ムラもでます。kikikumaの場合は電気カンナ治具を使うとわずかな凹面になります。理想的ですが、凹が強すぎす場合もあります。ので仕上げにトリマー鉋を使うのもありですね。使い方に慣れてくれば平面性を上げることができます。サンダーではコントロールしにくい作業ですから一手間かけるのも面白いのではと思います。

電気カンナ治具は手押と自動カンナ盤の代わりになります。また作業性は落ちますが、ルーター治具があります。この方が精度は高く、仕上がりを重視するならそちらがオススメ。一長一短ありますけど、どちらも有用です。ザックリ言えば、一般材、SPFとかなら電気カンナ治具、木目がもめてる難材であればルーター治具がいいですね。

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