以前、手カンナになるトリマー・ベースを作りましたが、それを使って平面出し作業をしました。作業は手順を追えば難しくありません。ちょっと試行錯誤というか、考える必要はありますよ。まあ、そこが面白いんですけど。
定規で確認する作業が大事ですけど、縦横斜めに沿わせて隙間をチェックします。凸面は高い所があるのでそれを確認。凹面は他の場所と比べてどの程度凹んでいるのか、同じくらいなのか。もちろん、隙間がすべてなくなれば超平面の完成ですが・・それを目指すのか、どうするのか・・現実的な答えは凹面でOKなのですが、一度完璧な平面を目指してみることをオススメします。できなくてもOKですよ。でもどうやったらより平面に近づくのかということを知ることができるはずです。
動画では細かい部分は端折ってますので・・補足です。
1.凸面を大まかに均す
2.定規で横(幅)方向の隙間を揃える
3.縦(長手)を揃える
4.斜めを揃える
目指す方向は凹面です。つまり中央部を少し多めに削ります。そこで隙間量を見ます。横と縦を揃えても斜めでズレているはずです。ネジレが残るから・・そこで高い角を探し、調整します。ただし、全体がもうほぼ平面なので角をわずかに落としながら全体を均す・・という作業になります。「取りたい所だけ削るのは近道でなく、遠回り」だと覚えておきましょう。常に全体を均す意識を持ちます。ちなみにX字削りは大きい板やズレが大きい時に有効です。200x400mmくらいの板では不要かな、試してみるのも面白いけど。
工程234を繰り返して平面に近づけていきます。たぶん、削りすぎてネジレが逆になったり、端が落ちちゃったり・・まあ、忍耐ですね。で、思い出してください。刃の調整の重要性。できる限り薄く削ることです。始めは0.1mm、平面に近づいたら0.05mm・・そんな感じ。手鉋では通常0.03mmくらいで削ります。これだと時間と手数がかかりますが、それで微妙な平面調整ができるということです。より速く完璧に、あるいは目的地にたどり着く手段です。
面倒ですねー(笑)でも面白いですよ。飽きることがありません。材料すぐになくなりますよ。
機械があるこの時代に、材料をひとつずつ手カンナで平面出しするっていうのは究極の作業です。でもDIYerは手押や自動カンナ盤は持ってないですよね。平面出ししたい場合、手カンナを使うか電気鉋治具やルーター治具を作るか・・3択でしょうかね。そんな中、新たな選択肢としてトリマー・カンナが生まれました。手カンナですが、電動工具です。作業は速いです。概ね10倍(当社比)・・やってみるとわかります。楽ちんやわー
速いのはいいんですが、速すぎても使いにくい。そこは切削深さで調整します。0.05mmから0.1mm位に設定するとちょうど良いです。速すぎず、遅くない。ちなみに電気カンナとどう違うのってことですが、電気カンナは重く、繊細な作業には使いにくい。幅があるし、馬力もあるので荒取りには向いてます。つまり手カンナというよりも手押カンナ盤に近い。手カンナのように使えるのはトリマー・カンナ。電気カンナほどのスピードはないけど、細かい作業に向いてます。もうひとつ節、逆目や揉めてる材料に強い。回転刃なので材料はほぼ荒れません。これは大きなメリットです。サンダー使う時間が減って、仕上がりもよくなります。
手カンナや電気カンナどうしようかなと思ってるDIYerにもオススメします。トリマー・カンナは手カンナの代わりになり、扱いやすく、小回りが利きます。手鉋は体力もいります。堅木を削るなら尚更です。何百回と動かさないと仕上がりません。一方トリマー・カンナは軽く、持ちやすく、力も要らない。そして刃研ぎもなく、仕立てもありません。トリマーを持っていればOK。ベースを作るのは簡単。そうそう、刃は2+2デザインのビットをオススメします。切れも持ちも違います。少し高価ですけど、その価値があります。取り敢えず試してみたい人は大きめの径のストレートビットでOK。
トリマー・カンナ・・新たな魔法の杖です。使ってみてください。研ぎや仕立てがないので「鉋でする作業」に集中できます。道具は使って始めてわかることがあります。鉋でいえば、平たいとは何?ってこととかですかね。木の平たさを知るには鉋を使うのが一番だと思います。合板も機械製材した材料もそれほど平たくないことがわかりますよ。それでも十分・・なんですけどね。コツを覚えて小ぶりな板を数枚なんとなく平面出しするなら、あっという間です。ジグを使うより速いかも。反ってる1x6とか1x8を使うことを思うと、反りを少し削って、表裏を軽く均しておくだけで十分。完璧な平面や厚みを揃えるなんて気にしない。ジそれでもョイント加工の楽さ、精度、仕上がりが違います。
以前書いた記事があります。「トリマー鉋の使い方とコツ」
参考にしてください。またわからないことがあれば、動画のコメント欄に質問くださいね。皆さんと共有したいと思います。
手鉋にはロマンがあります。一度は使ってみたい・・そう思いますか?ただ、前置きがありすぎて、使えるようになるまでに大きな山をいくつか越えないといけない。試練の道です。すごく余裕があるか、何が何でも身につけたい人にだけオススメします。まあ、そこまで思い込まずに何かを作りたいのならトリマー・カンナから始めてもいいのでは?
トリマー・カンナがある木工とない木工・・見える景色が違ってくると思います。

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